I am a norainu.

読書をすること、学問を少しでも学ぶことが最近では唯一の心の救いとなっている。そんな浅学で教養がないのらいぬが書く日記です。

朝日新聞で中島岳志先生が、「耕論」という特集で登場されていたので、勉強になった。印象に残って勉強になったところと感想をまとめさせていただきます。中島岳志先生、この博士課程就職難ななか、国立大学に就職できて、うらやましい限りです。私と同じくらい、あるいは若い人から勉強させていただくような年齢に私もなりました。朝日新聞2007.11.4耕論という中島岳志先生のインタビューから、以下引用。

・そもそも保守主義とは、哲学者がつくってきた合理的理性に基づく価値の普遍性を疑い、むしろ長い時間をかけて培われた伝統、秩序、慣習に基づいてより良い社会を作ろうという考え方だ。
・論理が見過ごされ、左右両派とも、歴史を左右のアイデンティティーで裁断し、都合よく解釈できる点だけ断片的に取り上げて熱狂する傾向がある。
・インドではカースト制度はあっても、貧困層を受け入れる空間とネットワークがあり、したたかに生き抜いている。その点、ネットカフェ難民などが出現している日本は、孤独で希望を失った人がいる。貧困問題は日本のほうがより深刻なのではないだろうか。
・欧州連合は(EU)は、欧州的な価値をずっと考えてきた。アジアでも『アジア的価値』とは一体何なのか、基盤になる問いが必要だ。
・日、印、中国などの価値が、基盤のところでどんな通奏低音をなしているのか、歴史の中に学びながら考えたい。


うーん、勉強になる。社会科学は「言葉」に敏感にならなくてはならないと言われるが、その日常用語あるいは学問用語の背景にある蓄積された知識・論文・本・歴史・議論等々まで、知り抜いて言葉を使っている人はどれだけいるのか、と思う。もちろん浅学な私はまったくそんな深みを知らずに平気で使ってしまうわけですが・・・。「保守」という言葉一つとっても背景に深みのある定義があるわけである。でも、そこまで知らないといけないとなると何もしゃべれなくなってしまう・・・。中嶋先生が依拠している学問は何なのだろう。政治学でしょうか。こういう外交の細かい事実関係はどうやって調べているのだろう。調べ方を知らないと自分で作り出していくことができないわけで・・・。また朝日新聞2007.11.18にも中島岳志先生のコメントがあり、以下引用。

・20歳のころ、竹内好さんの論文を集めた『日本とアジア』に出会わなければ、研究者の道を歩み出すこともなかっただろう。
・日本にとって、単に外交や安全保障、そして経済のパートナーとしてのみ脚光を浴びがちな、アジア。そんな時代に、「アジア」とは何か思想としてのアジア主義を根底から考える姿を見いだし、驚いたからだ。


以下、中島岳志先生の著書。
パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義
パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義
中島 岳志

上記の本、本屋で立ち読みしましたが、半分・ジャーナリスティック、半分・学問という雰囲気を感じました。また、どうとでも書けそうな分野・論点だな、と斜め読みで、素人ながら直感したりもしました。私はあまり「イデオロギー」的な学問に触れたことがなく、ほんの少し経験値が得られたような気がします。経験したこともないし、勉強したこともないし、そんなカテゴリーがあるのかもわかりませんが、「社会思想」「政治思想」といわれるカテゴリーでしょうか。パールという人物は山川出版社の日本史用語集で頻度3回で登場していました。以下、日本史用語集からの引用。「教科書」的には下記のような文脈で登場している。

【戦争犯罪人(戦犯)】頻度22回 侵略戦争計画者として「平和に対する罪」に問われたA級、捕虜虐待など非人道的行為のB(責任者)・C(実行者)級に分れ、起訴5416名、死刑937名(ソ連地区を除く)。
:【極東国際軍事裁判】 頻度23回 東条英機らA級戦犯28名に対する連合国の裁判。1946年5月〜48年11月に東京で審理。裁判長はオーストラリアのウェッブ。判決は絞首刑7名、終身禁固16名、有期禁固2名(裁判中病死2名、発狂1名)。刑の執行後、岸信介・笹川良一らA級戦犯容疑者全員を釈放。インドのパル判事は全員無罪と判定し、オランダのレーリンク判事はこの裁判を平和探求の手掛かりにとの意見を出した。


山川出版社の日本史用語集から、浅学なのらいぬが推察するだけでも相当議論が錯綜して、整理がつきそうもないような論点な気がするし、事実や資料の切り取り方や解釈次第で、どうにでも解釈できてしまう分野のような気がした。といっても、いろんな分野を研究する学者が必要です。自分が興味ある学問分野だけにしか敬意を持たないのはよくありません。のらいぬは、「相対主義者」でありたいと思っています。「事実」と「意見」の区別は、小学生の国語でも基本的な読解技術で出てきますよね。
法学の「判例評釈」「判例分析」とパラレルなのかな・・・。
中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義
中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義
中島 岳志

まだ読んでいないのだけど、上記の本では、高校時代の友達が中村屋に就職したんだけど、あいつ元気かな、などと関係ないことを思ったりした。一企業の中村屋の社長が、そういう人物を匿う(かくまう)ということ自体に、昔は、会社の経営者もすごい哲学があったんだなーなどとさらに全然関係ないことを思ったりした。今なら、せいぜい「あんぱん」5個くらいあげて帰されるだけだろう(?)。下手するとそれすら、もらえないかもしれない・・・。といっても、中村屋の社長が、親切心(?)で、匿わないほうが、ボースさんもっと活躍できたかもしれないし、また逆に、もっと活躍できなかったのかもしれないし、もっと違うことができていたかもしれない、ので放っておいたほうが良かったのかもしれないし、人生なんて何ともいえないところだろう。まあ中島先生流の掘り起こしが書かれた本書を図書館で入手してから考えよう。中島先生の実力と著書のレベルは浅学なのらいぬでは、判断しようがありません。でも京都大学で博士号とってらっしゃる先生ですから、大丈夫でしょう。それだけ熱くなれる研究分野・論点がもてるというのはうらやましいかぎりです。北海道大学の中島岳志先生や山口二郎先生とか新聞や雑誌で、時事的なことについて発言されていますが、大学の先生だとそういうところでの話は、単なる「裏芸」で、本業ではもっと深い話や深い蓄積があって、そういう話をしているに過ぎないので、うらやましいと思う。またのらいぬの私見ですが、大学の授業なんかでも、実は「授業」でやっていることは、その先生の「裏芸」に過ぎず、「本業」では学術的手法にのっとった論文や本などを書いているようにみえる先生もいます。要するに「深み」と「余裕」があるのである。のらいぬなんかは、こんなブログのエントリー程度でアップアップですから・・・。なんの深みも蓄積もございません。片腹痛いです。。。でも、ブログですからそこまで真剣にとらえなくてもwww。なんとか、しっかりとした学問的な実績に裏付けられた「深み」と「余裕」がほしいのだが、勉強する機会がブログしかないのでは、無理そうである・・・。ボースという人物は山川出版社の日本史用語集で頻度1回で登場していました。山川出版社の世界史用語集でも頻度1回で登場していました。以下、世界史用語集からの引用。「教科書」的には下記のような文脈で登場している。

【チャンドラ・ボース】 1897〜1945 インド国民会議派の指導者の一人。反英独立のため、第二次大戦期にナチスや日本の協力を期待して両国へ亡命、逆に両国に利用された。第二次大戦終結時に台湾で事故死した。


「教科書」的には、助けを求めに行って、逆に利用されちゃったなんて、少し悲しくなる書き方ですね。利用されたり、逆に利用したり。もちつもたれつ・・・。恋愛とパラレルですか?また、竹内好さんの論文を集めた『日本とアジア』も、以下に置いておきます。
日本とアジア (ちくま学芸文庫)
日本とアジア (ちくま学芸文庫)
竹内 好

浅学なもので、竹内好さんなんてまったく知りませんでした。埴谷雄高(はにやゆたか)・丸山真男・松本健一さんもチェックしておこう。丸山真男・松本健一さんは名前だけ知っている程度で、丸山真男(→日本は誰も責任を取らない無責任の体系にある、という指摘をしたという程度の理解しかない。)は本を少し読んだことある程度。本を読んだといっても思想の真髄まで知っている、理解しているわけはない。松本健一さんはTBSの時事放談で最後のエリート官僚出身(旧内務省)の政治家である中曽根元首相をして「本当に頭が下がる人」と評されていた人ということで知っている程度。本を読んだことはない。埴谷雄高(はにやゆたか)さんなんてまったく知りませんでした。松本健一さんの本だけ、以下に置いておきます。右の論客なのかな?
日本の失敗―「第二の開国」と「大東亜戦争」 (岩波現代文庫)
日本の失敗―「第二の開国」と「大東亜戦争」 (岩波現代文庫)
松本 健一


【後日追記】
左派についての中島先生の定義も『論座』に出ていたのでメモさせていただく。

大括りに左派というものを定義すると、人間の理性や努力によって平等社会を実現することは可能だと考え、それを実現していこうとする立場だと言えると思います。


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